はがきの裏面の書き方
(" 葉書(はがき・ハガキ)―葉書の書き方(裏面) "から複製)
葉書の書き方
葉書の基本的な書式(構成)も、手紙と同様に以下のとおり、①前文②主文③末文④後付けの4つである。
ただし、葉書は手紙の略式なので、前文の一部(頭語など)、末文の一部または全部、後付けの一部または全部が省略される場合も多い。
- 前文
- 頭語
- 挨拶
- 時候の挨拶
- 相手と自分の安否の言葉
- 日頃の厚情へのお礼の言葉
- 主文
- 起辞
- 要件
- 末文
- 挨拶
- 今後の厚情を願う言葉
- 健康・繁栄等を祈る言葉
- 結びの言葉
- 結語
- 挨拶
- 後付け
- 日付
- 発信者…自分の氏名
- 受信者(宛名)…相手の名字・敬称
以上、「主文」以外についてはすべて定型的な文章表現ですますことができ、この基本書式を押さえていれば、システマティックに葉書を作成することができる。
なお、葉書の形式面では、余白は上下左右に1cmくらいを確保する。
また、目安として20字詰めで12~14行くらいが読みやすい。
クロワッサン 『ちゃんとした手紙とはがきが書ける本』 マガジンハウス、2015年、12頁。
以下、各項目ごとにその詳細を説明する。
葉書の基本書式の具体的なテンプレートが次のページにあるので、参照のこと。
葉書(はがき・ハガキ)の書き方・例文・文例 書式・様式・フォーマット 雛形(ひな形) テンプレート(基本書式)(縦書き)01(ワード Word) - [文書]テンプレートの無料ダウンロード
1.前文
前文には、頭語、時候の挨拶、相手と自分の安否の言葉などを記載する。
ただし、葉書では、相手との関係やその内容から一部省略されることも多い。
頭語
拝啓・謹啓・前略・拝復
よく使用されるのが、「拝啓」「謹啓」などである。
時候の挨拶以下の前文を省略する場合は「前略」、そして、返事を書く場合は「拝復」を使用する。
頭語は1文字目から書き、頭語のあとは、1文字分空ける。
頭語の詳細・具体例については次のページを参照。
挨拶
①時候の挨拶
時候の挨拶は、前文で頭語のあとに句読点は使わず1字あけて書き始める季節に応じた挨拶の言葉である。
月ごとに季節感をあらわす慣用的な格式ある決まり文句(「◯◯の候」)があるが、身近な印象を実感を込めた表現で具体的に、簡潔に書いてよい。
また、ビジネス文書では、「時下」(このごろ、の意)という表現が季節に関係なく年中使えるので、よく用いられる。
時候の挨拶の詳細・具体例については次のページを参照。
②相手と自分の安否の言葉
手紙・葉書等には、前文で時候の挨拶のあとに相手の安否を気づかう言葉と自分の安否を知らせる言葉を記す。
たとえば、ビジネス文書の代表例では「ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」である。
具体例については次のページを参照。
③日頃の厚情へのお礼の言葉
次に、日頃の厚情へのお礼の言葉などを記す。
たとえば、ビジネス文書の代表例では「平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます」である。
省略してもよい。
具体例については次のページを参照。
2.主文
起辞
「さて」
主文の起辞とは主文を起こす言葉(辞)で、前文から主文に切り替わることを示す。
具体的には、段落を変えて、1字下げたうえ、「さて」などの次のような起辞を使って、主文に入ることを表す。
- さて(、このたび)
- ところで
- このたび
- 実は
- さっそくですが[さっそくではございますが]
- 突然ですが[突然ではございますが]
- (さて、)◯◯の件でございますが
- (さて、)すでにご存じかと思いますが
- (さて、)すでにお聞きおよびのことと思います[存じます]が
- (さて、)ほかでもありませんが
そして、次の本来の要件へと展開するための事情・原因などを記載する。
要件
「つきましては」
手紙の本来の要件を記載する箇所である。
「つきましては」「ついては」などという接続詞を使えば、段落構成が明確になり、手紙を読む相手も要件に入ったことがわかりやすい。
3.末文
末文の一部または全部は省略してもよい。
挨拶
①今後の厚情を願う言葉
本文・本題が終わったら、段落を変え、1字下げたうえ、「今後ともよろしくお願いいたします[お願い申し上げます]」などといった今後の厚情を願う言葉を記載する。
具体例については次のページを参照。
②健康・繁栄等を祈る言葉
再度、段落を変え、1字下げたうえ、「季節柄」または「末筆ながら」などといった言葉からはじめて、「季節柄、ご自愛のほどお祈り申し上げます」などといった相手の健康・繁栄等を祈る言葉を記す。
ビジネス文書の代表例では「貴社のますますのご発展を(心より)お祈り申し上げます」である。
その他の具体例については次のページを参照。
省略してもよい。
結びの言葉(起辞)
「まずは」「略儀ながら」「右[以上]」
末文に「まずは」という起辞を使うことで、書き終えたことを表す(例.「まずは簡単ではございますが、書中にてご挨拶申し上げます。」「まずはお礼まで」)。
または、「略儀ながら書中をもちまして」などと始めて「ご挨拶かたがたお礼申し上げます。」などと書く。
結語
前文の頭語と対になる言葉を書く。
- 敬具・拝白・拝具…頭語が拝啓・拝復などの場合
- 敬白・謹白・謹具…頭語が謹啓などの場合
- 草々・不一…頭語が前略などの場合
4.後付け
後付けの一部または全部は省略してもよい。
また、葉書の裏面は書くスペースが少ないので、日付も含めて後付けはすべて葉書の表面に書いてもよい。
日付
段落を変えて、1~3字下げたうえ、日付を記載する。
なお、年は不要である。
発信者
次に、段落を変えて、行の下のほうに自分の氏名を書く(署名)。
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