感情コントロール―REBT(論理療法・理性感情行動療法)とは
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REBT(論理療法・理性感情行動療法)とは
感情をコントロールするといっても、そんなことは可能なのでしょうか。
私は、感情というものは、その人の性格・気質など持って生まれたものに起因するところが大きく、意思や論理の力ではどうしようもないもの、と(無意識のうちに・非合理的に?)考えていた節があります(「三つ子の魂百まで」です)。
しかし、ネットで「感情産業」「感情マネジメント」というコトバに出会い、そこから連鎖的に辿っていくうちに「論理療法」(心理学・精神分析学)の存在を初めて知りました。
論理療法とは、アルバート・エリス(Albert Ellis)によって1955年頃に創始された心理療法のひとつで、広義の認知療法に含まれるものです。
その基本的な理論は、ABC理論とイラショナル・ビリーフの2つに集約されるとされています(『論理療法 - Wikipedia』)。
ABC理論とは、不安や抑うつ、怒りなどの感情的な結果(Consequence)の本当の原因は、外界の出来事・事実(Activating event)にあるのではなく、その人の受け取り方、考え方、信念、固定観念(Belief )にあるとする理論です。
つまり、A(外界の出来事・事実)→C(不安や抑うつ、怒りなどの感情)ではなく、、A(外界の出来事・事実)→B(その人の受け取り方・考え方)→C(不安や抑うつ、怒りなどの感情)ということです。
また、イラショナル・ビリーフ(非合理的・非論理的な考え方、信念、固定観念)とは、その人の非論理的で事実に反するような考え方、信念、固定観念のことで、別名、マスト化(英語のMustです。「 ~しなければならない」「~すべきである」)とも呼ばれています。
要は事実をあるがままに受け取ることができず、事実と願望とを混同してしまうことをいいます。
そして、この非合理的・非論理的な考え方を論駁し(Dispute)、新しい効果的な考え方・人生哲学(Effect)を身につけることで感情的な諸問題を解決することができるとしています。
以上、5つの頭文字をとってABCDE理論とも呼ばれています。
こうして図式化してしまうと「ちょっとね~」という感じがなくもありませんが、アルバート・エリスの著作を読むとなかなかためになります。
もっと早く「論理療法」に出会っていればよかったと思うくらいです。
というのは、論理療法とは、不安症とか、うつ病といった神経症に有効な精神療法といった枠を越え、もっと広く一般に、論理的、科学的に思考するとはどういうことか、論理的なものの考え方をするにはどうすればいいのかを教えてくれるからです。
なお、先に述べたように、『論理療法 - Wikipedia』では、論理療法の理論はABC理論とイラショナル・ビリーフに集約されるとしていますが、私は、論理療法の根底にある考え方はひとつで、それは、コトバは感情よりも先問題、という哲学的な洞察だと思います。
外界の事実から触発された感情がまず先にきて、次にそれをコトバで表現しているのではなく、逆にその人の考え方・コトバが感情を創り出している、その人流の思考がその人流の感情を生み出している…。
とすれば、新しいコトバを持つことで、感じ方を変え、さらに行動を変えることができる…REBT(Rational Emotive Behavior Therapy)、つまり、論理・感情・行動療法と命名されているゆえんです。
論理で感情をコントロールしようとした場合、その具体的な方法・やり方、考え方の枠組み(フレームワーク)を提供してくれるツールが論理療法だといえるでしょう。
向き不向きがあるでしょうが、はまる人ははまると思います。
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